プログラム番号 16「田んぼ見学とトークを楽しむ!稲作農家× 米屋 コメトークⅧ」
今年もコメトークⅧ開催しました!
今回は、「未来につなぐ仕事」ズバッというと「事業継承」とも言えます。
いつものように松下さんの田んぼをレクチャー付きで見学。
肥料の熟成や、香りなと、互換で田んぼや有機農業のお米づくりについて学んだ後は羽釜で炊いたカミアカリの試食とカミアカリから作った熟成味噌の味噌汁をいただきました。
みなさんおかわり!相次ぐほど本当に美味しいです。
そしてメインのトークは、まさに松下さんの直面していること。
なんでもスパッと考える松下さんがここ5〜6年ずっとモヤモヤぐだぐだしていたこと
長坂)息子さんどうすんの?
松下)いやーいわにゃ〜 ならんと思っちゃーいるだけぇ〜がなぁ〜
と言い続けたこと、
それは自分の仕事を息子さんが継ぐかどうかということです。
このモヤモヤした松下さんを見たくてチクチクと、この質問をし続けていたアンコメ長坂さん(笑)。
ある日の寿司屋での父子のワンシーン
将来を考えておいてほしいとやんわ〜りやんわ〜りと息子に伝える父・松下さん
一方、帰ってきた息子に
あんた将来どうすんの?と、ドストレートに聞く松下さんの奥さん(笑)
「いや〜嫁さんって、そーゆーのどストレートに、怖いよなぁ」
そこに息子から父にとっても200%の答えが返ってきて
思わず涙の松下さん
「お父さんの、あの技術を注がないのはもったいないと思う」
肩の荷が降りた、
先祖に顔向けができるか。
いや、ここで舞いあがっちゃーいかん
とアンビバレントな心境が共存している松下さんの心内
それもそのはず、松下家は8代目!の農家の家系なんです。
・社会に対しての責任・影響力
お米ももちろんだけど、お酒については全国にいるお酒のお客さんへの責任がある。
事前に松下米のお酒を予約してるお客さんもいるんだから、勝手に死んだら「美味しい酒が飲めなくなるじゃねーか!」って怒られる。
そして
・家族からの審判
有機農家としては様々評価されてきたけれど、家族がどうみていたのか?ということを知る怖さと、緊張。
何より、
・8代続いてきたご先祖さまに対する、引き継ぎの責任。。
そんなこんなをひっくるめて、事業を引き継ぐということ。
松下さんのお父様はなんでも堅実に目立たずやっていたタイプらしく、
今の松下さんのやっていることを見たら、きっと心臓発作を起こすだろうと言って笑っていました。
(逆におじいちゃんはかなりやんちゃだったようです。笑)
有機栽培に一気に切り替えたことや思いっきりやってきたこと、
全部知ったら、あの世に行った時には死んだ後にご先祖さんにも皆さんに怒られそうだけど、
「いや、でもなんとか引き継いできたんで!」
と言えると、笑っていました。
そこから、
松下さんが仕事を辞めて、仕事をついだ時の話へ、
アポ無し突撃で青島酒造に行ったこと、
アフリカ話で盛り上がった話を聞かせてもらいつつ。
そこに切り込む長坂さん
長坂)そもそも、このくらいの年代
(実は、松下さんと長坂さんはもうすぐ還暦!!なんです)
になると、どうして「次世代」とか意識したり
次にバトンタッチしたくなるんだろうね?
後継者を求めたくなるんだろうね?
松下)そーだな〜DNAのスイッチかなんかあるんじゃないか?
参加者)昔10年前くらいの時、松下さんは俺は一人でやっていく!という感じだったけど、今日は株式会社にするという話を聞いて、歳を取られたのかなぁと思った(笑)。
長坂)その理由をね、僕は分析して考えてみたんです。
それはね、、「飽きた」ってことなんじゃないかなぁと思ったりしているわけですよ(爆笑)!
松下)なんかね、他のことしたくなったというか、
子育てや仕事に熱中している間に辞めたものってたくさんあるんですね。
残ったのは、本と酒だけ!なんです(笑)。
行き着くとこまで行ったとは言わないけど、
結構いろんなことやってきたんですよ。
全国に仲間もいるしね、かまってくれる人たくさんいるしね
十分楽しいんだけど、
でもなんか退屈というかー。。
と言いながら、合鴨農法について研究し始めた話をアツく繰り広げる松下さん。(笑)
この人、本当に退屈しているんだろうか?!と参加者全員が疑問に思いつつ(笑笑)
松下)でもね、今の責任をさておき、
身軽になったらね、責任から自由になって
45度違うことやりたい。
例えば海外に行って、東南アジアとかねー行って、農業指導しながら
新しい種を集めて研究したりしてね(爆笑)。
いや結局稲作やってるんだけど(笑)。
聞いている人がまたまた、心の中で総ツッコミしたと思いますが。
そういう意味で、180度ではなく90度でもなく
「45度」くらい違うことやりたいんだよね。
今までの技術や知恵を生かして、新しいことやりたいんだよね。
これから会社としてやっていくための環境を整えたいという松下さん、まだまだやることはたくさんありそうですね。
そこから、息子さんに求めることなど、参加者さんからの鋭い質問。
松下)いやー。俺が必死で超えてきたハードルをね、息子が軽々と超えて行ったらねーそれは嬉しいよねぇ
なんか俺が超えたハードルをさー棒高跳びみたいに軽々超えちゃったりしてね…
… ちょっと後ろから刺したくなるかもしれないけどなぁ(笑笑)
家業、
やっぱり、小さい頃から身についた農家としての技術や見様見真似でやっていたことって、身についているんですよね。
やっぱり、小さい頃から身についた農家としての技術や見様見真似でやっていたことって、身についているんですよね。
親が必死で忙しく仕事していると、子どもとしても何か手伝いしたくなるんだよね。そうやって、自然と身についていくものがあるんだよね。
ただね、唯一、自分の家で嫌だなと思ったことはね。貧乏だったこと!
正確にいうと、自分の家が貧乏だと思っていたこと!!
米も味噌も全部自給自足
お風呂も薪 米炊きも薪
薪も燃料も自給自足
鶏も飼って、マヨネーズなんかも自分たちで作ってた
おばあちゃんが割った卵を、親父が高速で混ぜて、そこに色々入れて作ってたね。自分たちのとこでとれた野菜つけて食べてさ
完全無欠!の自給自足。
今考えると豊かな憧れる生活かもなぁ。
と、昔話も聞かせてくれました。
松下さんだけではなく、長坂さんのお米屋さんも歴史あるお米屋さん
やはりこの2人にとって事業継承するということは普通の仕事人とは違った重みがあるのだともいます。
でもその伝統の中で、このお二人、
ずんぶん大胆にワイルドに、
稲作農家やお米屋さんという立ち位置を飛び越えて
真剣に!遊びまくっているようにも感じます。
フツーの「事業継承」の話とかではなくて、
この2人だからこそタイムリーに赤裸々に語られた今回のコメトーク
貴重でした!!!
このお二人の晩年はどうなっているのか、、
相当なキャラのじいちゃんになっていることは確かです。
まだまだ続くコメトーク
おじいちゃんになったら相当面白い話も繰り広げられると思います。
本当、毎回全てがレポートできなくて残念ですが、
また次回をお楽しみに!!