リポートreport

ガスロトロのミーツーリズム『旬を味わう「野菜×スパイス&ハーブ」循環する暮らしを体で感じる農と食』レポート

2024年12月17日に開催されたフジエダオンパク2024『旬を味わう「野菜×スパイス&ハーブ」循環する暮らしを体で感じる農と食』に参加してくれた静岡大学農学部生物資源科学科の学生さんがレポートを書いてくれました。

今回のフジエダオンパクは、農薬や化学肥料を使わずに野菜やお米を育てている「山口農園」さんと、カラダにやさしい厳選した商品を中心に量り売りで販売し、ヴィーガンランチも提供している「はかりうりtoi tou」さんのコラボツアーでした。自然と調和した農の営みと自然の恵みを間近に感じる、心躍る一日でした。

山口農園での収穫体験

よく晴れて澄んだ空気の中、集合場所の広幡青空農場に到着すると、広がる緑と土の香りに迎えられました。まずは山口さんから「循環する農業」についてお話していただきました。循環を意識し始めたきっかけは、子供の将来のためや、多様な生き方を残せるようにするためと伺いました。

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『循環することで、無駄を減らして、負荷を減らす、循環することに、人と人が繋がり、地域の和が広がる』ということを今回のお話の中から感じることができました。

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また、野菜の配達には天ぷらカーというものを使っているそうです。天ぷらカーとは、天ぷらを揚げた後に残る廃油を、キレイに漉して、その油を燃料として走行する車です。普段捨てられてしまうものを有効活用し、循環することの奥深さを学びました。参加者の皆さんは興味津々でたくさん質問していました。

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続いて、山口さんの案内で畑に移動し、いよいよにんじんの収穫体験が始まりました。今回収穫したにんじんは昔ながらの品種の「新黒田五寸」です。山口さんから収穫のコツを教えていただき、慎重に土を掘り起こしてにんじんを引き抜くと、鮮やかなオレンジ色が出てきました。採れたてのにんじん2キロのお土産をいただき、収穫体験は暖かさと大きな満足感に包まれながら終了しました。

はかりうり「toi tou」での調理レッスン

収穫後は各自クルマで、蓮華寺池公園近くのはかりうりショップ「toi tou」へ移動しました。ここでは、収穫したばかりのにんじんを使ったレシピを学びました。

今回のテーマは「素材を活かす料理」。にんじんを主役に、スパイスやハーブを組み合わせたシンプルながら奥深いレシピを体験しました。まずは店主の伊藤さんが考えてきた中から、今日のにんじんレシピと使う素材、切り方などを選択します。

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まずは収穫したにんじんについて知るため生のまま食べてみました。山口農園さんで収穫した「新黒田五寸」と追加のお土産でいただいた「ベータリッチ」と「金時にんじん」を食べ比べしてみました。それぞれ少しずつ色も味も甘味も異なりそれぞれ個性豊かな特徴が際立っていました。どのにんじんをどの料理に特徴を活かして使うのか、みんなで相談しながら決めるのも楽しい時間でした。

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次は、みんなで協力して下ごしらえをしました。テキパキとたくさんのにんじんを切ることができました。

準備も終わったところで、調理レッスンが始まります。伊藤さんがデモンストレーション形式で調理のコツを教えてくださいました。コツは素材の話を聞くことと話しかけることだとか。料理が美味しくなる魔法です。料理に向き合う姿勢から大切なんだと感じます。また、味付けの基本は自然塩!!素材の味を生かしながらも、料理によって幅広い味を出すことができるアイテムです。塩とハーブだけでこんなに味が変わるんだ!と驚きの発見になりました。

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すべての調理が終わり、待ちに待ったランチタイムがスタート!!
お皿には、先ほどみんなで作った5種類のにんじん料理が並び、蒸したてのふかふかのパンが添えられました。各料理の味わいを堪能しながら、参加者同士やスタッフの方々と楽しくおしゃべりが弾みました。「にんじんのポタージュが一番お気に入り!」という声や、「にんじんのラペを家でも作りたい!」といった感想が飛び交い、自然と笑顔が溢れるひとときでした。

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最後に全員で感想をシェアし合いました。「素材の力を最大限に活かす料理の楽しさを学べた」「にんじん1つでこれほどバリエーション豊かな料理が作れるとは驚きだった」など、それぞれの気づきや喜びを共有する時間となりました。

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この日の体験を通じて、ただ食べるだけでなく、育てること、調理すること、そして味わうことがすべて繋がっているのだと感じました。自然との関わりを深めながら、今後も素材に敬意を持ち、料理を楽しんでいきたいと思います。